こんにちは、ちこまです。発表会の係で、1番のハズレは誘導係って思っていませんか?
誘導係とは…
本番当日、出演する子供(未就学児〜小学校低学年)に付き添い、衣装の着脱を手伝ったり、静かに楽屋で待機させたり、舞台に立たせるための全てを任される係。
私は初参加の発表会の時から、5回連続誘導係をしてきました。(させられてきました…)
後述しますが、とにかく大変な係なので、3回目くらいから「嫌がらせか!」と思ってしまい、人間不信に拍車がかかっていきました。
しかし、私が10回目の発表会で運営委員の会長を務めた時、誘導係を続けて任されてきた真意が、やっとわかったんです。
誘導係は、発表会を成功させるために、必要不可欠な仕事。
大事な仕事だから、デキル人・信頼できる人にお願いしたい。
何もわからない状態では、ただ不安が募るだけだと思うので、仕事内容について、さらに詳しく解説していきます。
誘導係は特殊なお仕事です。服装や持ち物にも気をつけるポイントがあるので、あわせて解説していきます。
実はお子さんが輝いている姿を、1番近くで見守れる特権付きのお仕事です。素敵な瞬間のために、お母さんも楽しみながらお仕事しましょう。
仕事内容
先生は発表会を成功させるために、踊りのことに集中してくれています。衣装を着せたり、準備段階のことまで、気にしている余裕はありません。
一方、小さい子供たちだけで、衣装の着脱や時間の管理はムリです。必然的にお世話をする誰かが必要になります。
発表会で1番大事なことは、時間通りに、きちんとした格好で、出演者が舞台に立って踊ること。
このために、何ヶ月も前から、先生はじめ大勢の大人が支えてきたのです。その最後の仕上げを任されるのが、誘導係です。
すごく大事なことを任されるんですね。
そうなんです。だからこそ、誘導係自身の練習も必要となります。
- 衣装・付属品の着脱
- 舞台の補助
- 子供の世話
ひとつずつ、詳しく解説します。
衣装・付属品の着脱
衣装や頭飾りなど、着る方も着せる方も慣れていないと、苦労します。
衣装は借りている物です。慎重に取り扱ってください。衣装の中に着るモノの注意事項
- バレエショーツ
- ボディファン
- タイツ
本番は新品同様のキレイなタイツで踊ります。いつでも履き替えられるように、1番上(ボディファンの後)にタイツを履かせておいてください。
本番直前のリハーサルも写真やビデオ撮影をしています。本番同様、キレイなタイツを着用しましょう。
新品同様のキレイなタイツが、最低2足必要です。
リハーサルで着用した後、本番までに汚す可能性があります。
衣装着脱時の注意事項
- シューズを履いたまま、衣装の着脱を行わない
- 衣装着替え専用スペースの上で着脱させる
- 衣装着用中は飲食禁止
シューズが足に馴染みすぎているのか、シューズを脱ぐ習慣がついていない子がほとんどです。
付き添いの大人たちも、急いでいたり余裕がないと、シューズのことを忘れがちです。特に踊った後、衣装を脱ぐ時が要注意です。
衣装を着たら飲食禁止です。トイレも行けないので、必ず着用前に確認しておきましょう。
衣装を着る時
- トイレに行く
- シューズを脱いで、衣装用シートに上がる
- 服(レオタード)を脱いでボディファンになる ※タイツが汚れていたら履き替える(本番・直前リハのみ)
- 衣装を着せる
- シューズを履く
④衣装を着せるについて、細かく解説します。
- 足を入れる部分をしっかり広げて、低い位置で持つ
- 胴体の部分(脇から背中の辺り)を、がっしり持って引き上げる(肩ひも部分を引っ張り上げない)
- 衣装を踏まないように足を入れる(衣装の中に足から入る)
- 下の方(お尻辺り)から順番に、ホックを全て止める
面倒ですが、未就学児や小学校低学年の子供は、大人が手伝って着せましょう。子供同士で着せていて、衣装を破損でもさせたら大変です。
シューズは基本、立ったまま履きます。しかし、未就学児は難しいので、できない子は衣装用シートの上に座らせて履かせてください。
衣装着用時は、決して何も敷いていない部屋や廊下に、直接お尻を下ろすことは禁止です。衣装を汚す可能性があります。
常に、衣装を汚したり破損させたりしないことを、第一に考えて行動してください。
衣装を脱ぐ時
踊り終わって、子供たちは気が緩みがちです。周りの大人は、常に冷静に物事を進めてくださいね。
脱ぐ時が、衣装を破いてしまう危険大です。
- シューズを脱いで、衣装用シートに上がる
- 上の方から順番に、ホックを全て外す
- 衣装をシートまで下げる
- 衣装を踏まないように、衣装から出る
- 服(レオタード)を着せる
- 飲食スペースへ移動し、水分補給させる
くどいようだけど、衣装を脱ぐ時は注意してほしいことだらけだから、もっと細かく解説します。
- ホックは上から外す お尻の辺りまでホックが付いていることが多いので、しっかり中まで確認
- 衣装を脱ぐ(下げる)時も上げる時同様、胴体部分をがっしり持って、下まで衣装を下ろす
- 踏んづけないように気をつけて足を抜く(衣装から出る)
衣装をしっかり下ろして、慎重に衣装から出ましょう。
足を抜く時に引っかかって、衣装を破いちゃう危険あり!
脱いだ衣装や付属品は床に放置しない!ハンガーに掛けるなど、速やかに衣装保管場所へ移動させてください。
付属品の注意事項
ティアラや頭飾りの付ける位置や角度など、同じ衣装の子は全員揃える必要があります。
はじめて付属品を付けた時に、先生に位置を決めてもらい、後から確認できるように写真に残しておきましょう。
腕輪の向きなど、わかりづらいものもあります。付属品を付けたら、一度、先生に確認をとりましょう。
頭の飾りは、子供がイヤがらなければ、早めに付けておきたいです。
大部屋で違う曲の子も一緒の控室だったり、客席で見学をしている時など、頭の飾りが目印になって、お目当ての子供をすぐに見つけられます。
衣装・付属品のサイズ確認
衣装や腕輪など、ピッタリサイズで着用しないと、本番中に外れてしまう可能性があります。
最悪の場合、背中のホックが外れて衣装が脱げかけてしまうことも…
衣装着用練習のたびに誘導係がサイズの確認をし、次の練習までに各家庭でお直しをしてもらいます。
- 衣装や腕輪などの付属品がゆるくないか
- ボディファンがはみ出ていないか
- 取れそうな装飾品(石やスパンコールなど)がないか
- シニヨンの位置やピンの使い方
衣装のサイズ調整方法はこちらの記事で解説しています。(ただいま作成中)
本番3分前、はみ出ているボディファンを、衣装を着せたまま糸で縫って、隠したこともありました。
本番当日のトラブル対応については、こちらの記事で解説しています。
舞台の補助
衣装を着た子供たちを舞台に立たせるために、舞台袖まで引率します。
本番直前のスタンバイ方法
- 3曲前 廊下(楽屋出たところ)に並ばせる
- 2曲前 廊下(舞台入り口)で待機し、シューズカバーを脱がせる
- 1曲前 舞台袖でスタンバイ
シューズカバーは誘導係が預かっておいて、踊り終わった子供に、速やかに履かせます。
他の出演者やスタッフさんの邪魔になるので、廊下に放置しないでください。決まったスペース(机の上やシューズ入れ箱)が用意されていると、わかりやすいですね。
通し稽古中に確認しておくこと
スタンバイ時の並ぶ順番は、舞台に入場していく順番です。
入場する順番や、何列に分かれて入場するのかなど、事前に確認しておいてください。
舞台袖は幕で仕切られていて、舞台に入る場所が4ヶ所設けられています。
板付きの場合は、立ち位置を確認しておきましょう。
板付き・・・舞台上にスタンバイしている状態で、曲が始まること
いつもはできていることが、いざ会場で踊るとなると、急にわからなくなってしまうこともあります。
曲の途中で、一度袖に入って、再入場する振りもあります。
袖に戻ってくる幕の位置と、再入場する順番と幕の位置、タイミング(曲のどの部分か)もしっかり覚えておいてください。
入場する時の振り付けを覚えておくといいですね。
「手は腰に当ててスキップする」など、スタンバイ中に子供たちとおさらいしておきましょう。
衣装の最終確認
この状態で舞台に立たせて大丈夫なのか、しっかり確認します。
- 衣装や腕輪などの付属品がゆるくないか
- スカートがめくれてしまっていないか
- ボディファンがはみ出ていないか
- 取れそうな装飾品(石やスパンコールなど)がないか
- シニヨンの位置やピンの使い方
- 頭飾りの位置や向きは揃っているか
- タイツに汚れがないか
- シューズの裏にサイズ表示シールが貼ったままになっていないか
細かいところまで、しっかり確認してあげましょう。
不備があった場合、個人で判断しないでください。近くにいる先輩母や、先生に相談しましょう。衣装を着てからトイレに行きたくなったら
我慢させると衣装を汚す危険があります。急いでトイレに連れて行くしかありません。
トイレの前でレジャーシートを広げ、その上で衣装を脱がせ、トイレに連れて行きます。
すでに本番シューズになっている(シューズカバーを脱いでいる)場合は、シューズを汚すといけないので、抱きかかえてトイレに連れて行き、直接便座に座らせます。
子供の世話
舞台に上がっている時以外は、つきっきりです。
子供の相手をするのが苦手な私には、一緒に遊んであげたり、わがままに付き合ってあげたり、とても苦痛な時間でした。
出番以外は静かに待機させる
楽屋で騒いでいる声は、客席まで聞こえてしまいます。
静かに部屋に閉じ込めておくことに苦労しました。
本を読んであげたり、お絵描きや折り紙をしたり、静かにしていられる時間は長く続きません。
リハーサル中なら、客席からお姉さんたちのリハーサルを見学させてもらうことも可能です。
一方、広い客席で子供を探すのは苦労します。頭の飾りを付けておくと、目印になります。
頭飾りを付けておくと、客席で見つけやすいです。
客席は涼しい可能性があるので、羽織るものを持っておいて、体調管理に気をつけてあげましょう。
カーディガンなど持参していない子は、メイク用に持ってきた大きめのタオルを使用します。
急に熱を奪われると、風邪を引く原因になります。
タオルでもいいので、何か肩にかけてあげてください。
客席での見学時、頭飾りを付けて、羽織る物を持参する。
時間の管理 トイレ・水分補給・食事
衣装と付属品をキレイに身につけ、時間通りに舞台上に立たせます。
そのために、貸衣装を着て行う通し稽古から、誘導係も着脱の練習が必須です。
- 踊った後は水分補給
- 控室の温度は高めに設定
- 感染予防の徹底
踊った後は脱水防止のため、忘れずに水分補給させましょう。子供が「喉が渇いていない。」と言っても、水分を摂らせるようにしてください。
急に体が冷えると風邪をひいてしまうので、控え室の温度は少し高めの設定にします。
感染予防のため、トイレの後と食事前には、アルコール消毒を徹底しましょう。
トイレへ連れて行く
↓
衣装に着替える
↓
頭かざりなどの付属品をつける
ネコの踊りだとネコミミ・しっぽ・手首のかざりなど時間がかかります
↓
3曲前に順番に並ぶ
↓ (衣装に不備がないかチェック)
1曲前に舞台袖でスタンバイ
↓ (踊る)
衣装を脱ぐ
↓
お茶・おやつ休憩
↓
2曲目の準備(トイレへ連れて行くから繰り返し)
誘導係の服装・持ち物注意
ほとんどのお母さんは、お客様の接待をする係です。紺色のワンピースやスーツを着用しています。
一方、誘導係はどんな状況にも対応する必要があります。服装や持ち物について解説します。
服装
誘導係は、舞台の袖まで入ってお仕事をする可能性があるので、お客様に存在を気づかれてはいけません。
つまり、スタッフとして、舞台に溶け込む必要があります。
- 黒い服装
- 動きやすい格好
- 音を出さない素材
一方、客席へ行って、お子さんの本番を見れる可能性もあります。お客様の前に出てもおかしくないような服装である必要があります。
黒い服装
舞台袖に立つと、端の方のお客様から見えてしまう可能性があります。
影の存在に徹するため、黒い服装にしてください。
バッグや靴も、できる限り暗めの色のものを使用してください。
動きやすい格好
子供のお世話をするので、ズボンをおすすめします。
スカートにする場合、床に座ったり、しゃがんだりします。膝がしっかり隠れる長さがいいです。
一方、誰にも知られない存在だからと、Tシャツとジーパンのように、ラフ過ぎる服装はNGです。
誘導係は、あらゆることを想定しておく必要があります。つまり、お客様の対応をすることも考慮しておくべきです。
近年は、準備のできた子供たちを係のお姉さんたちに預け、誘導係は客席から子供の本番を見せてもらえています。
楽屋でお子さんと記念撮影できるので、お母さんもオシャレしておくといいですよ。
音を出さない素材
舞台ウラや客席にいても、本番中の雑音は絶対にNGです。
- 靴底はゴム製でヒールのほとんどないもの
- カバンはカシャカシャ音を立てない布製のもの
靴底はゴム製でも、ヒールの形状によっては音が出てしまいます。
高さの低いヒールで、面積の広いものにしてください。バレエシューズと呼ばれるものがベストです。
現在は、バタフライツイストのラウンドトゥタイプを愛用しています。
私は、つま先が丸い形状が好きです。
尖ったタイプもありますよ。
以前はクロックスのパンプスタイプを履いていました。こちらも言わずと知れたゴム製なので、音を立てずに行動可能です。
おしゃれさを求める方には、バタフライツイストをおすすめします。
カバンの素材も気をつけてください。コンビニ袋のようなビニール製の袋は禁止です。
斜め掛けバックかウエストポーチにして、常に両手が空いてる状態にします。
最小限の荷物にして、身軽に動けるようにしておきましょう。
布製のバックがおすすめです。
持ち物
咄嗟の事態に対応できるように、常に肌身離さず携帯しておいてほしい物を解説します。
- ティッシュ
- 絆創膏
- 裁縫道具一式
- 安全ピン
- 口紅
- シニヨンセット
- ラムネ
①ティッシュ
②絆創膏
鼻血や鼻水を出す子がいます。ちょっとした出血でも、すぐに絆創膏しておきましょう。
とにかく衣装を汚さないでください。
本番は絆創膏を外します。本番直前はケガさせないように、静かに待機させることが重要です。
万が一、本番直前に出血してしまったら、先生や先輩母にすぐに相談してください。
③裁縫道具一式
④安全ピン
衣装やシューズの不備を直すため、裁縫道具が必要です。
時間がない場合は安全ピンを使います。
⑤口紅
口紅があるとないとでは、舞台に立った時の華やかさが全く違います。
細かいことですが、気にかけてあげてください。
⑥シニヨンセット
ネットが破れていたり、頭飾りの付け外しで、シニヨンが崩れてくる子もいます。
本番前にチェックしてあげてください。
ピッタリフィットした衣装を着て、小さくまとまったシニヨンにすると、見た目は立派なバレリーナです。
逆にチュチュが下がったり、肩ひもがずり落ちそうだったり、シニヨンが不恰好だと、それだけでバレエとはかけ離れたものに見えてしまいます。
⑦ラムネ
出番直前にグズってしまう子に、やる気を出してもらうために忍ばせておきます。
ラムネに限らず、すぐ無くなって、衣装を汚さないものなら何でもいいですよ。
困った時は、誰かに相談する
ここまで解説してきた通り、誘導係は、自分の子供だけでなく、出演者全員が無事舞台に上がるためのお世話を任される、重要な係です。
困難も多い係なので、他の誘導係や運営委員の方と力を合わせて乗り切りましょう。
困り事を抱え込まずに、経験豊富な先輩母や先生に相談してください。
特に、本番直前に起こったハプニングには、自分1人で解決しようとせず、周りに助けを求めましょう。
みんな忙しいけれど、出演者が無事舞台に立つ以上に、重要なことはありません。
私が誘導係を担当していた頃は、本番も舞台袖(横)から観るしかありませんでした。
近年は子供が大きくなり、誘導係を任されることはなくなり、しっかり客席から観せてもらっています。
しかし、子供たちの真剣な横顔に、私自身も勝手に熱くなっていた頃が懐かしく思います。
通し稽古中の辛さや困難も、本番の子供たちの立派な踊りや、やり遂げた後の清々しい表情を見ると、全て報われます。
大変な係ですが、その分やりがいもあります。本番までしっかり支えてあげてください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました❣️
発表会での係は、誘導係だけではありません。
お母さん全員、何かしらのお仕事をしてもらいます。こちらの記事で他のお仕事について、解説しています。