モチベーションが持続すれば、なんでも上手くいくんじゃない?
みなさんは、こんな風に思ったことないですか?
勉強もバレエも、何をやるにも、毎日のように継続しなくては、成果が出せません。
そのためには、「今日も頑張ろう!」と机に向かって勉強したり、バレエのレッスンに通う必要がありますよね。
でも、「今日も頑張ろう!」がそもそもの間違いだと言っている本があったのです。では、どうすれば良いのでしょうか?
星渉(ほし わたる)さん
- 『神メンタル』『神トーーク』各25万部突破のベストセラー作家
- 12000人を超える方に目標達成についてのアドバイスをしてきた
確かに、頑張ろうと思わなくても、気づいたらやっちゃってた、の方がラクだし、長続きしそうですよね。
『神モチベーション』は、大人向け、読んだ本人に実践してもらうことを想定して書かれています。
みなさんが知りたいのは、どうやったら、お子さんに「気づいたらやっちゃってる」状態になってもらえるか?ですよね。
この本の内容を、バレエの上達法や子育てに取り入れるには、どうしたらいいか?
私なりに考察してみました。
1人目の育児は(当たり前ですが)初めてのことばかりです。
- なんで、あんな言葉をかけてしまったんだろう
- どうして、こんな風にしてあげられなかったんだろう
思い返せば、後悔することが、たくさんあります。でも、その瞬間は、子供にとって、それが良いことだと、私は本気で思っていたんです。
長女や次女の育児から色々と学んだ私は、三女に対しては、この本の内容と重なるような思いで、小さい頃から接することができています。
みなさんが、できそうなことから、取り入れてみてください。
育児に正解なんてありません。でも、もっと良い方法がないか、悩んで、探しているお母さんはたくさんいらっしゃると思います。
身近な存在であるお母さんは、お子さんに大きな影響を与えてしまいます。言葉かけひとつで、「やる気」を操り、お子さんの思い通りの人生を歩むための、きっかけになるかもしれませんよ。
本の概要
「気づいたらやっちゃってた」状態、ギャップモチベーションについて、解説している本です。
「現実」と「記憶」のギャップを埋めようとして、勝手にやる気が生まれます。最終的には、それを無意識に行える状態を目指しますよ。
- 過去記憶
- 未来記憶
- 目標設定
- 脳を味方につける
4つの項目について、理解する必要があります。順番に解説します。
過去記憶
多くを経験し、失敗の数が増えれば、それをもとに、成功する確率が高まる。
失敗だけにフォーカスしないことがポイント。失敗の原因を突き止めて、どうしたらうまくいくか考えて、次に活かすようにします。
細かいミスがあったものの、苦手なダブルはキレイに成功させた。ただ、途中で転んでしまい、予選落ちした。
- 「転ばなきゃ、予選通過できたのに・・・」と、落ち込む。
- 「舞台の継ぎ目に引っかかって転んでしまった。次回からは、場当たりの際、継ぎ目の位置を確認しよう。」と、原因を見極め、改善策を考える。
逆に、良い結果の時にも、注意が必要です。
- 良い結果を喜ぶ→良い結果が出そうなことだけ、行動するようになってしまう
- 良い結果につながった過程(努力)を喜ぶ→努力を繰り返すことができるようになる→頑張らなくても努力できる
未来記憶
- 未来の記憶=なりたい自分像
- 未来記憶の作り方=イメージ、音声、感情、動作の4点セットを最低5回以上×毎日
「バレリーナになって、眠れる森の美女で主役(オーロラ姫)を踊る」ことを目標にしているとします。
豪華な劇場にたくさんのお客さんが入っています。その中で主役を任されて踊っている姿をイメージし、大きな拍手を送ってくれるお客さんに、感謝の思いを口に出しながら、お辞儀する。
これを毎日、最低5回以上は行うと、未来記憶として、定着します。
感情の強さ、つまり脳内で鮮明にイメージすることが重要です。そのためには、合成写真も有効な手段となります。
想像するより、目で見た方が鮮明なイメージとなりますよね。
このようにして出来上がった未来記憶は、困難に立ち向かうための仲間となってくれます。
目の前に誘惑が現れたら、未来の自分を思い浮かべて、相談してみてください。
目標設定のコツ
- 目標がない人、目標作りが苦手な人=過去記憶のせいかも「目標を設定したけど、達成できなかった」
- 目標設定を「未来に実現できそう」なサイズにする。明確な目標にする。
バレエが上手になりたい。
これでは、具体的なイメージを思い浮かべにくいですね。
発表会でパ・ド・ドゥを踊りたい
実際に発表会でパ・ド・ドゥを踊っていたお姉さんを、自分に置き換えて想像できます。合成写真を作っても良いですね。
頑張ってバレエを続けていれば、きっと実現できます。
脳を味方につける
省エネ=考えなくていい=「いつも通り」が好き
脳の重さは体重の2%なのに、消費エネルギーは25%。脳自体も自覚していて、省エネを好むようになっています。
やる気がなくても、赤信号で止まりますよね。それは赤信号で止まるというルールだから!
頑張ろうとしていることをルールにしちゃえば、やる気がなくてもできちゃうんです。
人生を変えるルーティンのつくり方「5STEP」
ギャップモチベーションの仕組みを理解できたら、あとは行動に移すのみです。
- 自分が実現したい目標、なりたい姿を明確にする。
- ①を実現するためには、どんなルーティンがあると、①に近づけるかを決める。
- ②で決めたルーティンを繰り返す。
- 定着したら、あとは赤信号だから止まる。くらい何も考えずに、毎日実行。
- 目標が実現する。
まずは、1つルーティンを決めて、その1つが定着するまでやり続けるのが、ポイントです。
『神モチベーション』をバレエや子育てに取り入れてみると
人生を変えるルーティンのつくり方「5STEP」を、お子さん自身に実行してもらうために、本の中でも紹介されている、やる気の壁「突破トレーニング」をバレエ上達バージョンに変換して、解説していきます。
- 体調を整える
- 良いことに注目できる脳にする
- 「即」できた!フィードバック
- 感謝の気持ちをもつ
- 人とのつながりを感じる
- 小さな挑戦をしよう
- 未来記憶を作る手伝い
- 目標を決める
- 行動する
①体調を整える
脳は優先順位を決めています。
- 生命の維持に関わる欲求
- 食欲・睡眠欲・性欲
- 自分の意志
脳を味方につけるには、体のコンディションを整えることが最優先です。
自分の意志(〜したい)は、生命維持の欲求の前では、無力です。
体調管理や、規則正しい生活を身につけられるように、してあげましょう。
② 良いことに注目できる脳にする
脳の最優先事項「死なないこと」のせいで、ネガティブ情報を、無意識に無限に、見つけてくる仕組みになっています。
でも、ネガティブに注目し続けていると、行動したい意欲がなくなってしまいます。
悪い方ではなく、良い方に目が向くようにすると、次に向けて動き出せるようになります。
コンクールに出場、最後のポーズがグラついて、賞がもらえなかった場合
- 「最後のポーズが決められたら、入賞できたのにね。」
- 「最後は残念だったけど、コツコツ頑張ってたアラベスク、とてもキレイだったよ。」
目標が達成できなくても、「自分は成長している」という過去記憶に変えてあげましょう。少しずつでも、成長できているという記憶が残れば、工夫を繰り返し、行動し続けていけます。
レッスンの後「今日の良かったこと」を聞いてあげましょう。
毎回聞かれるから、良いこと準備しておかなきゃ。
自然と良いことを意識して、探すようになります。
調子が悪く、何も良いことがなかった日もあるでしょう。そんな時は、頑張ってレッスンを受けて来たことを、認めてあげてください。
③ 「即」できた!フィードバック
「自信がつくと、やる気が1.6倍増える」という研究結果があります。
自発的に行えたことを、認めてあげるだけ!
自分で起きて、ご飯を食べて、準備して、学校に行く。産まれたばかりのお子さんは、何ひとつできなかったことばかりです。
当たり前にできていることは、スゴイことなんだと、教えてあげましょう。
朝ご飯作った→「すごい!エライ!私って最高!!」
我が家では、家事は母親がするのが、当たり前になっています。(そういうご家庭は多いと思いますが)
でも、当たり前じゃないですよ。みんなのために早起きして、ご飯準備するって、スゴイことですよ!
お母さん自身も、自分のことを認めてあげてくださいね。
④ 感謝の気持ちをもつ
「自分の行動に誇りを持つと、行動力が1.5倍になる」ことがわかっています。
行動力=やる気なので、やる気が1.5倍になっちゃいます。
自分の行動に誇りを持つ?
人から感謝されると、自分の行動を認められたことを実感でき、誇りを持つことができます。
家庭を「ありがとう」でいっぱいにする。
余裕がなかった頃の私は、「これくらい手伝ってくれても良いでしょ!」の気持ちが強くて、素直に「ありがとう」と言えていませんでした。
旦那さんも、子供たちも、私に言われるから、仕方なく手伝ってくれていたんです。自分たちの行動が、お母さんの役に立っている実感は、ほとんどなかったと思います。
5分かかることを4つ手伝ってくれたら、20分の時間が作れるんですよ。スゴイですよね。
そんな当たり前に気づいてから、「ありがとう」を言えるようになりました。
自然と、子供たちも「ありがとう」を言ってくれるようになりましたよ。
身近な人に「ありがとう」を言うのが、恥ずかしくて、ハードルが高いんです。家庭で「ありがとう」が言えるようになれば、どこでも「ありがとう」の言葉が、自然と出てくるようになります。
⑤ 人とのつながりを感じる
大切な人の顔を思い出すだけで、パフォーマンスが上がったり、やる気が継続します。
大事な場面で思い出してもらえるような、言葉かけをしましょう。
「頑張って!」だけでも効果はあると思いますが、お子さんの気分が上がるような言葉を選ぶと、もっと効果がありそうですね。
特に、本番前は、緊張で自分を見失っている状態の子もいます。お母さんを身近に感じられる言葉をかけてあげましょう。
長女が今までで、最高の踊りを見せてくれた、コンクールの朝にかけた言葉は、「風を感じて、気持ちよさそうにしているあなたを見たい」です。海賊のバリエーションだったので、船の上で、気持ち良さそうに、海風を感じている気持ちで踊って欲しかったからです。
いつも伏し目がちで、緊張のあまり引きつった笑顔を、時折見せる程度だった子が、最初から笑顔全開で、しっかり顔を上げ、とても気持ち良さそうに踊ってくれました。
⑥ 小さな挑戦をしよう
小さな挑戦をすると、自分自身の成長を感じます。そして、ポジティブな感情の種となり、やる気につながります。
良いストレス(緊張感)は、記憶定着率や学習効果を高めてくれることもわかっています。
あえて、ちょっとドキドキする体験をしてみよう。
「行ったことないお店に入る」なんて、絶好のドキドキチャンスですね。
このお店入ったことないから、ちょっとドキドキするね。
せっかくなので、ドキドキを言葉に出して、お子さんにも一緒にドキドキしてもらいましょう。
お母さんでも、ドキドキするんだ。
私がドキドキするのは、普通のことか!
普段から緊張感に慣れておくことで、発表会やコンクール本番の極限の緊張下でも、実力を出し切れるようになります。
⑦ 未来記憶を作る手伝い
未来記憶を作る癖をつけて、ギャップモチベーションを生み出せるようにする。
少し先の未来に実現しそうなことを、一緒に妄想する。
遠足の前日とか、「次の日の支度」をすすんでしたり、さっさとお風呂に入って寝る準備をしたり、日頃とは別人のようになる時ってありませんか?
まさに、ギャップモチベーションで行動しちゃってる状態です。
翌日の遠足を思い浮かべて、
- 遅刻しないように、いつもより10分早く家を出よう。
- 楽しくお菓子を交換することを思い浮かべて、お菓子は絶対に忘れないよう、リュックに入れておく。
こんな風に、ギャップモチベーションの力で行動できるように、未来記憶を作るお手伝いをしてあげましょう。
まだコンクールに出場していない子は、お姉さんたちのコンクールを見学しに行くことをおすすめします。
実際に自分が舞台に立って踊る姿を想像して、どんどんバレエを頑張ってくれるようになりますよ。
コンクールを観に行くと決めたら、こちらの記事を参考にして、選んでくださいね。
⑧ 目標を決める
⑨ 行動する
ここから先は、お子さん自身で行う必要があります。
お母さんは、お手本になれるように、ご自身の目標を決めて、行動してください。
目標を自分で決めて、小さくする
お子さん自身が決めるべき目標ですが、「目標を小さくすること」は一緒に考えてあげましょう。
バレリーナになることを目標にしたとします。それを叶えるには、長い月日が必要です。そこまでモチベショーンが続くのは、難しいでしょう。
まずは、可能性がある内容に、目標を小さくしてあげましょう。
コンクールの結果(上位入賞したい!)を目標にすることは、おすすめしません。
結果に注目すると、良い結果が出そうなことだけ、行動するようになってしまいます。
簡単なことではないけど、練習を重ねていけば、実現させられそうな内容にします。他の子と競争するのではなく、昔の自分を超えていくような目標設定にしましょう。
あとは、夢に向けて行動するのみ!
まずは、お子さんと一緒に、朝活しよう
- 体調管理や、規則正しい生活を身につけられるように、してあげましょう。
- レッスンの後「今日の良かったこと」を聞いてあげましょう。
- 自発的に行えたことを、認めてあげるだけ!
- 家庭を「ありがとう」でいっぱいにする。
- 大事な場面で思い出してもらえるような、言葉かけをしましょう。
- あえて、ちょっとドキドキする体験をしてみよう。
- 少し先の未来に実現しそうなことを、一緒に妄想する。
- 目標を自分で決めて、小さくする。
たくさんやることがあって、結局どうすれば良いのかわからないです。
では、朝活を始めませんか?
朝活する余裕なんて、ないですよ・・・
本当に、そうですよね。お母さんの朝は、めっちゃ忙しいですよね。でも、5分でも良いので、自分の時間を作ってみてください。
- 朝はギリギリまで寝る(時間がもったいないと思っていた)
- 嵐のように、お弁当作りや洗濯・朝の支度をし、ギリギリの電車に乗って、始業2分前に会社の席に着く。
- 電車が3分遅れると、会社まで走らないと遅刻しそうになるし、いつも余裕がなく、時間に追われる朝を過ごしていた。
- 休日の朝は、10時までベットで過ごしてしまうことも。だらけすぎて、起きても頭がボーっとしたまま。気づいたら夕方で、旦那さんが仕事から帰ってきてしまう。
現在は、平日も休日も、遅くても6時には起きるようにしています。(平日、そんな時間に起きて、間に合うのか?という疑問には、触れないでおきますね。)
中学生になって、勉強を頑張りたい三女は、テスト前など、一緒に朝活をしてくれます。
三女は5時に起きて、7時まで勉強している時もあります。
スゴイ、めっちゃ尊敬します!
三女が朝活を始めたのは、私が本格的に朝活を始めて、1ヶ月くらい経った頃でした。
ポイントは、朝起きて、家事をするだけでなく、自分のことをしている姿を見せることです。
- 5時半に起きた日は、ブログ作成など、30分程度、パソコンに向かって作業をします。(テレビをつけずに、黙々と)
- 6時に起きた日は、6時25分からのNHKテレビ体操(10分間)だけは、行います。
朝早起きして獲得した貴重な時間は、自分のために贅沢に使うものだということを、お母さん自身が体現してあげてほしいです。
日頃から早起きして、余裕のある時間の使い方をしている方には、なんのこっちゃ?と思われるかもしれません。
しかし長年、余裕のない朝を過ごしていた私には、朝、自分のために時間を使うことが、とても贅沢なことなんです。
まさに、記事内で説明していた、朝早く起きた→スゴイ!なんです。
早起きできた日は、それだけで自己肯定感が爆上がりし、なんでもできちゃう気分になります。
私の朝の様子を見聞きして、三女は自主的に「自分も朝活してみよう。」と思ってくれたみたいです。
次女はもうすぐ高校受験です。「気づいたらやっちゃってる」状態になってもらえるよう、子供に対する言葉かけを見直す、良い機会になりました。
私のつたない説明では、星渉(作者)さんの意図は、満足にお伝えできていないことと思います。ぜひ、『神モチベーション』を読んで、お子さんの人生、お母さんご自身の人生を思い通りのものにしてください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました❣️